原則的評価方式による評価

原則的評価方式による評価

原則的評価方式による評価は、以下の Step により行います。

Step1:会社規模の判定
Step2:特定会社の判定
Step3:株式の評価方法の決定
Step4:類似業種比準価額の計算
Step5:純資産価額の計算


Step1:会社規模の判定

会社規模は、「従業員数」「総資産価額」「取引金額(売上高)」により判定し、大会社、中会社(大・中・小)、小会社に区分します。

  • 従業員は70人以上である ➡ 大会社
  • 従業員は70人未満である ➡ 従業員数&総資産価額による判定 ➡ 取引金額による判定

「従業員数」と「純資産価額」でどちらが下位に位置する区分を確定させます。
その確定した区分と「取引金額(売上高)」とで、どちらが上位に位置する区分かを確認します。
この区分が、 会社規模のいずれに属するかにより、大会社、中会社(大・中・小)、小会社が決定します。


Step2:特定評価会社の判定

特定評価会社は会社規模に関係なく、純資産価額方式で評価します。

特定評価会社となる会社

  1. 比準要素数1の会社
  2. 株式保有特定会社
  3. 土地保有特定会社
  4. 開業後3年未満の会社
  5. 開業前又は休業中の会社
  6. 清算中の会社

Step3:株式の評価方法の決定

特定評価会社に該当しない場合は、会社規模により評価方法が異なります。

原則的評価の流れ

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Step4:類似業種比準価額の計算

類似業種比準価額の計算では、会社の「配当」「利益」「純資産」の3要素を基準に、類似する業種の株価と比較して、次の算式によって株価を計算します。

類似業種比準価額のPOINT

  • 比準(=比較)する要素は、「配当」「利益」「純資産」の3要素です。類似業種企業に比べて自社の3要素が高ければ自社株式の評価額は高くなります。
  • 業種目は、主たる業種目により判定します。複数の業種目の事業を行っている場合、単独の取引金額が50%を超える業種目により判定します。
  • 3要素は、原則として直前期・直前々期の決算数値を使用します。
  • 従来は、配当:利益:純資産の割合は 1::1でしたが、平成29年度税制改正で1::1に改正されました。
    この結果、成長企業・好業績企業にとっては、株価評価の上昇に伴う相続税負担が軽減されることとなりました。
    一方で、配当金額が大きい会社、内部留保が厚い企業にとっては、株価評価の上昇に伴い相続税負担が増加します。

Step5:純資産価額の計算

純資産価額の計算では、会社の総資産の額から負債の額を控除した純資産価額を自社株の価値とする方法です。これは、会社の清算価値に着目した評価方法となります。

純資産価額の計算

*1:含み益
相続税評価額による純資産価額から帳簿価額による純資産額を差し引くことで計算します。
含み損となる場合は、帳簿価額による純資産額から含み損を減額します。

*2:37%
会社が清算したものと仮定した場合の法人税等の税率となります。
自社株の取得時期により当該税率は異なります。

平成24年4月1日~平成26年3月31日に取得された自社株 ➡ 42%
平成26年4月1日~平成27年3月31日に取得された自社株 ➡ 40%
平成27年4月1日~平成28年3月31日に取得された自社株 ➡ 38%
平成28年4月1日以降に取得された自社株 ➡ 37%

純資産価額のPOINT

  • 長期滞留の不良資産や含み損を抱えた遊休資産については、税法上認められる範囲で除却することで評価額が下がります。
  • 土地や建物の取得により金融資産が不動産に組み替えられると、相続税評価額上、株価の時価評価額が下がるケースがあります。ただし、3年以内に取得した不動産については、取引価額により評価することとなるため、3年経過後でないとその効果は得ることができません。